強迫性障害の妄想ってあるの？ - totchaのもやもや解消ひとりごと

たまたま週刊誌を見ていたら、【言葉尻（じり）とらえ隊】と言うコラムを見つけました。そこにはある芸人が【強迫性障害の妄想で有名人を告発したことが原因で芸人を辞めた】と言うことについて書いてありました。

私はこの件のことは全く知りませんでした。そもそもお笑い番組も見ませんので、チンプンカンプンですが、【強迫性障害に妄想の症状があるのか？】と言う疑問を持ちました。

🌹私が入院中に同室だった患者さんは、強迫性障害でした。彼女はその中でも確認症と言った方がわかりやすい症状で、（強迫観念にとらわれている症状という事ですが）

何でも確認しないと収まらない（これが強迫行為）。

例えば、〚ポストに手紙を入れると、目の前で自分で投函したにも関わらず、【ちゃんと入れたよね、入れたよね、入れたよね】と、ずーとその場から離れられない〛

また、〚一時帰宅から病院に帰ってくると、カバンから荷物を全部出したのにも関わらず、ずーとバックの底を触り続ける〛と言う症状でした。ご自分でもわかっていても止められない、この症状が日常生活に悪影響を与えるから、強迫性”障害”となるわけです。

🌹皆さんもありませんか、「あれ、玄関鍵しめたっけ？」とか。

「大丈夫閉めた。」と自分で記憶を思い出して、そのまま外出できる。が、それではすまずに、家に戻って確認することが頻繁になり、遅刻したりなど、日常生活が支障が出ると、強迫性障害と診断されるのだろうと思います。

でも、少なからず、障害にならない程度の確認作業は日々誰もがやってるように思います。几帳面だからと言えばそうも言えるし、心配性でもあるし、いずれにせよ、日常性活に支障がでなければ問題ないという事です。

✨で、肝心の妄想なんですが、【言葉尻とらえ隊】によると、日刊ゲンダイの記事に、

「〇〇（芸人）は２０２２年強迫性障害であると公表しているように被害妄想が強く・・」と言う、部分も（ほかにもあるけど）問題視しています。

ですが、強迫性障害の症状の中にはっきりと被害妄想と言う言葉は見当たりませんでした。

ですが、ある患者さんのウェブページでは、「統合失調症の患者さんが、〚みんなが自分を悪く言っている。〛と言う場合の〚みんな〛は現実の人ではなく、妄想や幻聴からくるもの」だそうです。

「強迫性障害の患者さんの場合は、〚みんなが自分を悪く言っている。〛は実在する人であり、その人が『自分を悪く言ってるかもしれない』、という〚妄想〛はある」そうです。

これも妄想と呼ぶんですね？私も人生で何度もそういう想いになったことはありますけど・・・妄想ではなく、感覚？印象？本能？気まずさ？だと思ってました。

でも患者さんがおっしゃるなら、そうなんだろうと思います。

🌹強迫観念と強迫行為の２つのタイプが主である強迫性障害は

「不快な考えにとらわれて、それに伴う繰り返し行為が止められない」と言う疾患なので、強迫神経症と以前は呼ばれていたそうです。

現在は薬での治療で改善していける疾患です。ご自分でも気になる行為がある時は専門医に見ていただくと楽になるかもしれませんので、躊躇なさらずお医者さんに行って下さい。いつも言うけど、精神科も心療内科も外科も耳鼻科もみんな病気を治すところです。精神科が特別ではありません。

🌹【言葉尻とらえ隊】さんは〚文脈的にここで被害妄想と言う言葉を出すという事は、エアガンで撃たれたという被害そのものが妄想の産物である、と言う仮定をしいているのでしょう。でもその手の妄想と強迫性障害は全く別の概念で、関係ありません。精神疾患に対する解像度の低さが見え、その上これを【関係者の発言】という事にし（日刊ゲンダイの）筆者が責任から逃げているようで、輪をかけて卑怯な記述です。』（週刊文春より）

同感です。

この芸人が精神疾患をお笑いのネタにして笑いをとっていたのだとしたら、気分は悪いですが、彼に限らず精神疾患をなにやらおぞましいもの、その患者さんをおかしい人と見下している人は一定数います。それ以上に多いかも・・・

そこを責めることも気にする事も無駄なことなので、さらっと流します。どんなに説明しても、その人自身が罹患しないとわからないことなので。